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図書落語

【霧と決断 ~クラウゼヴィッツ落語七席勝負~】第四席「守りこそ最大の攻め」

呉服屋の店内で、蔵はん先生が若旦那に静かに防御の本質を語る。女将は落ち着いた様子で布をたたみ、店の伝統を支えている。守りの力を象徴する構図。
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第四席|守りこそ最大の攻め

はじめに| シリーズ紹介

このシリーズでは、江戸・大坂船場の商人たちを舞台に、
クラウゼヴィッツ『戦争論』の核心を「落語」で読み解いていきます。

今回のテーマは「防御」――
守ることは退くことにあらず。
芯を崩さず、自分の土俵で勝ちにいく戦術を描きます。


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📜 本編|守りこそ最大の攻め


タケ(若旦那)
「最近、“ど派手屋”にお客さんごっそり取られてしもうて…。
ウチもチラシ撒くか、値下げするか…。」

おさき(女将)
「旦那様、ウチはウチのやり方がありますやろ。
慌てて人の真似しても、続きまへんで。」


そこへ、静かに登場するのが――蔵はん先生

蔵はん先生
「守りの戦で、真似事に走るとは…まだまだ青いのう。」

タケ
「でも先生! 攻めへんかったら負けますやん!」

蔵はん先生
「守るとは、何もしないことにあらず。
“自分の土俵”で、勝てるよう構えることじゃ。」


おさき(笑って)
「ウチの丁寧な仕立てと、長年の信用。
これが“たけ屋”の財産ですやろ?」

タケ(目を開いて)
「せやな… ワシらの城は、外にあらへん。
ここにあるんやな!」


🎊 オチ|静かに、勝つ

“たけ屋”は、宣伝合戦をやめ、
接客と仕立てに改めて力を入れた。

結果――
馴染み客が戻り、紹介で新たな客も増え始める。

蔵はん先生
「守りきる者こそ、勝ち残る者じゃ。」


✍️ この噺が伝えること

  • 防御とは「土俵を維持する戦い」
  • 攻めない=負け、ではない
  • 本当に大切なものを見失わない力が、最後に強さになる

おわりに| あなたが守るべき“芯”はどこにある?

✅ 他人のやり方に飲み込まれていませんか?
✅ 自分の信頼・歴史・品質を守れていますか?
✅ あなたの「守るべきもの」は、何ですか?


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ABOUT ME
影褒め亭いっきょう
影褒め亭いっきょう
国家資格キャリアコンサルタント×アマチュア落語家
「国家資格キャリアコンサルタント × アマチュア落語家」 落語の世界観に魅せられたアラフィフ落語家。13年間の落語経験を活かし、「死神」「いきだおれ」など、クセの強いネタを愛する。 国家資格キャリアコンサルタントとして、「人生の転機」を言語化し、落語にするという独自のスタイルを確立。 「影褒め」(※第三者を通じて伝える褒め方) を活用し、あなたの強みや人生のストーリーを落語で表現する活動を展開中。
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