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図書落語

【霧と決断 ~クラウゼヴィッツ落語七席勝負~】第一席「見えぬ先でも、進むべし」

霧の立ちこめる江戸の市場で、迷いながらも決断しようとする若旦那。後ろに立つ女将が不安そうに見守り、蔵はん先生が静かに導く。視界の不確かさが「戦争の霧」を象徴する一場面。
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第一席「戦争の霧」

はじめに|なぜ「霧と決断」なのか?

「天気予報で晴れと言われたのに、突然の雨。」
人生も、ビジネスも、戦いも、そんなものです。

クラウゼヴィッツは言いました。
👉「完璧な情報など存在しない。霧の中でこそ、決断する勇気が問われる。」

この噺では、江戸・大坂船場の商人たちを通じて、
「見えない中で動く力」を楽しく学んでいきます。


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📜 本編|落語「戦争の霧」


時は江戸後期。
商人のタケ(旦那)が、大坂と江戸を結ぶ大口取引を前に、あたふたしております。


タケ
「今朝の使いは『江戸は豊作で米だぶついてまっせ』言うてたのに、
昼に来た使いは『いやいや、米不足で値が跳ね上がっとる』言うとる…。
こりゃ、買うたもんか、やめたもんか…!」

おさき(女将)が眉をひそめます。

おさき
「旦那様、こんな曖昧な情報で動いたらあきまへん。
ようよう確かめてからにしましょ。」

タケ
「せやけど、待ってたら、機(チャンス)を逃すかもしれへんやないか!」


そこへ、ふらりと現れるのが、近所で評判の達人、蔵はん先生
袴姿に扇子をぱたぱたさせながら登場します。


蔵はん先生
「おやおや、また“霧”に巻かれとるようじゃな。」

タケ
「先生! 情報がバラバラで、どっちに賭けたらええかわかりまへん!」

おさき
「先生、こういうときは動かんほうが賢いんと違いますか?」

蔵はん先生
「戦でも商いでも、”完全な地図”はない。
見えぬ中で一歩を踏み出すしかないのじゃ。」

タケ
「でも、間違うたら、借金まみれですやん!」


蔵はん先生(扇子をぱちんと閉じて、静かに)

「――それでも、決めるのはおぬし自身。
勝っても負けても、その責は己が負う。
覚悟は、あるか?」


タケはぐっと唇を噛みしめ、

タケ
「はい、先生。決めるのは、このワシでっせ!」


女将のおさきの不安そうな顔を横目に、
タケは腹をくくり、米の買付に踏み切った――。


🎊 オチ|数日後の船場

市場は大豊作で、米は溢れ、値は下がった――。
だが、タケは値崩れが本格化する前に、米を江戸へ送り出していた


タケ(にっこり)
「いやぁ、早よ動いといて正解やったわ…。
蔵はん先生の言う通りやった!」


蔵はん先生(涼しい顔で)
「見えぬ道こそ、見極める目が育つのじゃよ。」


おさき(ちょっと拗ねた感じで)
「…でも、次はほんまに、足元すくわれるかもしれまへんで?」


タケ(きっぱりと)
「それでも、進まなあかん時は、あるんや!」


✍️ この噺が伝えること|”決断とは覚悟”である

  • 完璧な情報は存在しない。
  • 決めるのは他人ではなく「自分」。
  • 進みながら考え、修正していく。

つまり――
「霧の中で決める力」こそが、未来を切り開く鍵なのです。


おわりに|あなたなら、どうする?

情報が揃わないとき、
周りの声に惑わされたとき、
未来が不透明なとき――

あなたは、自らの意志で決断できますか?

✅ 完璧な地図を待ち続けますか?
✅ それとも、霧の中でも一歩を踏み出しますか?


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影褒め亭いっきょう
影褒め亭いっきょう
国家資格キャリアコンサルタント×アマチュア落語家
「国家資格キャリアコンサルタント × アマチュア落語家」 落語の世界観に魅せられたアラフィフ落語家。13年間の落語経験を活かし、「死神」「いきだおれ」など、クセの強いネタを愛する。 国家資格キャリアコンサルタントとして、「人生の転機」を言語化し、落語にするという独自のスタイルを確立。 「影褒め」(※第三者を通じて伝える褒め方) を活用し、あなたの強みや人生のストーリーを落語で表現する活動を展開中。
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