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図書落語

霧と決断 ~クラウゼヴィッツ落語七席勝負~第六席|話し合いの続きが戦さ

若旦那と隣店の商人がにらみ合う場に、蔵はん先生が割って入り、争いを止めようとする場面。怒りを乗り越え、目的に立ち返る商人の姿を描く。
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第六席|政治|話し合いの続きが戦さ

🏮 シリーズ紹介

このシリーズでは、クラウゼヴィッツ『戦争論』の本質を
江戸・大坂船場の商人たちの物語で噺(はなし)化しています。

第六席のテーマは「戦争は政治の延長である」。
言い換えれば、「戦さとは目的達成の手段のひとつ」に過ぎません。

今回は、怒りに駆られそうになった若旦那が、
“本当に守るべきもの”に立ち返る噺です。


👇音声はこちらから


📜 本編|話し合いの続きが戦さ


タケ(若旦那)
「おさき! 隣の“すずや”の看板、パクっとる!
これはもう戦さや、ケンカしかあらへん!」

おさき(女将)
「また短気な…。目的は“勝つこと”やのうて、“守ること”ちゃいますの?」


そこへ、いつものようにふらりと現れるのが――蔵はん先生

蔵はん先生

「戦とは、怒りの延長ではない。
“話し合いの続き”を、別の手段でやることじゃ。」

タケ
「でも先生、向こうが引かんのやったら、ワシも引けまへん!」

蔵はん先生

「おぬしが守りたいのは、“面子”か?それとも“信頼”か?」



おさき(微笑んで)
「誂えと丁寧さ。ウチの良さを見せつけたらええんとちゃいますか?」

タケ(はっとして)
「せやな…。
“勝ちたい”のやのうて、“信じてもらいたかった”だけかも。」


🎊 オチ|戦わずに伝える強さ

“たけ屋”は、争わず、自分たちの誂えと接客に磨きをかけた。
やがて評判は広まり、客は自然と戻ってきた。

蔵はん先生

「戦わずして伝える力。それがほんまの“続き”やな。」



✍️ この噺が伝えること

  • 戦うことが目的になってはいけない
  • 本当に守るべきは、「信頼」や「芯」かもしれない
  • 対立の先にあるのは、“静かに伝える勇気”

🔥 あなたは何を守るために戦ってますか?

✅ 感情のまま動いて、目的を見失っていませんか?
✅ 戦わなくても、伝える方法はありませんか?
✅ 守るべき「関係」や「信頼」、ちゃんと見えていますか?


👇音声はこちらから


📚 まとめ読みはこちら!

noteに第一席から第五席までまとめています。

https://note.com/ikkyo_note/m/m300c0e1bd0db

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影褒め亭いっきょう
影褒め亭いっきょう
国家資格キャリアコンサルタント×アマチュア落語家
「国家資格キャリアコンサルタント × アマチュア落語家」 落語の世界観に魅せられたアラフィフ落語家。13年間の落語経験を活かし、「死神」「いきだおれ」など、クセの強いネタを愛する。 国家資格キャリアコンサルタントとして、「人生の転機」を言語化し、落語にするという独自のスタイルを確立。 「影褒め」(※第三者を通じて伝える褒め方) を活用し、あなたの強みや人生のストーリーを落語で表現する活動を展開中。
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