【霧と決断 ~クラウゼヴィッツ落語七席勝負~】第一席「見えぬ先でも、進むべし」
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影褒め亭
このシリーズでは、クラウゼヴィッツ『戦争論』の本質を
江戸・大坂船場の商人たちの物語で噺(はなし)化しています。
第六席のテーマは「戦争は政治の延長である」。
言い換えれば、「戦さとは目的達成の手段のひとつ」に過ぎません。
今回は、怒りに駆られそうになった若旦那が、
“本当に守るべきもの”に立ち返る噺です。
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タケ(若旦那)
「おさき! 隣の“すずや”の看板、パクっとる!
これはもう戦さや、ケンカしかあらへん!」
おさき(女将)
「また短気な…。目的は“勝つこと”やのうて、“守ること”ちゃいますの?」
そこへ、いつものようにふらりと現れるのが――蔵はん先生。
「戦とは、怒りの延長ではない。
“話し合いの続き”を、別の手段でやることじゃ。」
タケ
「でも先生、向こうが引かんのやったら、ワシも引けまへん!」
「おぬしが守りたいのは、“面子”か?それとも“信頼”か?」
おさき(微笑んで)
「誂えと丁寧さ。ウチの良さを見せつけたらええんとちゃいますか?」
タケ(はっとして)
「せやな…。
“勝ちたい”のやのうて、“信じてもらいたかった”だけかも。」
“たけ屋”は、争わず、自分たちの誂えと接客に磨きをかけた。
やがて評判は広まり、客は自然と戻ってきた。
「戦わずして伝える力。それがほんまの“続き”やな。」
✅ 感情のまま動いて、目的を見失っていませんか?
✅ 戦わなくても、伝える方法はありませんか?
✅ 守るべき「関係」や「信頼」、ちゃんと見えていますか?
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noteに第一席から第五席までまとめています。
https://note.com/ikkyo_note/m/m300c0e1bd0db