キャリアコンサルタント必見!就職氷河期世代「正規組」のキャリアの壁を打ち破る支援戦略

キャリアコンサルタントの皆様。
就職氷河期世代の支援において、一見安定している「正規組」が、今、50代を目前に深刻なキャリアの壁に直面し、変化を恐れて現状維持に固執するジレンマを抱えていることをご存知でしょうか?
私たちキャリアコンサルタントには、彼らが築き上げた「会社依存の安定」を「自らの専門性に基づく安定」へと転換させるための戦略的支援が求められています。
本記事では、就職氷河期世代の正規組のキャリアの壁を診断し、具体的な支援戦略と実践ステップを解説します。
築き上げた「安定」の裏にある深刻なキャリアの壁
就職氷河期世代の正規組は、厳しい雇用環境下で少ない採用枠を勝ち抜いた少数精鋭ですが、彼らが必死に守ってきたこの「安定」は、50代を目前にして揺らぎ始めています。
1-1. 安定を揺るがす構造的な岐路
- 伸び悩む賃金: 近年の賃上げが若年層に集中する傾向にあるため、40代から50代前半の正規組の賃金上昇率は、他の世代に比べて著しく低い実態があります。
- キャリアの閉塞感と役職定年: 多くの企業で導入されている役職定年制度により、50代半ばで給与が大幅に減少する現実が目前に迫っています。これは生活基盤を根底から揺るがす大きな不安要素です。
特に、40代・50代の正規組と新卒で正規になれた同世代を比較した場合、賃金上昇率に大きな差が生じ、生涯賃金に影響を及ぼしています。
詳細な月額平均賃金差(男性で約10万円~15万円)についてはこちらをご覧ください)
1-2. 「安定にしがみつく」心理の背景
クライアントは、こうした課題を認識しながらも、役職定年による「地位喪失への恐怖」や、キャリアを不安定化させる「終身雇用という幻想」にしがみつき、現状維持に固執するという深いジレンマに陥りがちです。

キャリアコンサルタントに求められる支援戦略:「安定の再構築」への誘導
キャリアコンサルタントは、クライアントの心理的な壁である「会社依存の安定」から「自らの専門性に基づく安定」へと意識を転換させるための戦略的支援を行う必要があります。
2-1. リスキリングによる「新たな安定」の構築
AIやDX、GX(グリーン・トランスフォーメーション)といった新たなスキルを習得するリスキリングは、正規組が社内での価値を再定義するための鍵です。
- 提言:「安定の再構築」戦略: キャリアコンサルタントは、揺らぎ始めた既存の安定に代わる、新たな専門性という「安定」を築くための投資としてリスキリングを位置づけるよう促すべきです。人材開発支援助成金などの既存制度の活用を提案することも有効です。
(助成金出典:厚生労働省「人材開発支援助成金」)
2-2. 豊富な経験を活かすキャリアパスの提示
正規組は、組織理解、専門性、そしてアナログとデジタルの双方を理解する「ブリッジ(橋渡し)世代」という独自の強みを持っています。
- 役割の多様化: キャリアコンサルタントは企業に対し、役職定年をキャリアの終わりではなく、専門職やメンターといった新たな役割を創出し、セカンドキャリアのプランニングを支援するよう提言すべきです。
- 国際的教訓の応用: 支援設計においては、職業訓練と雇用主との連携を統合的に組み合わせた「ホリスティックなアプローチ」(米国モデル)を応用することが重要です。
(参考:厚生労働省「地域共生社会の実現に向けた取組」資料など)


自業界の課題解決に活かすキャリアコンサルタント資格
私は、営業職を33年続けています。営業先でのお客様の課題は、採用と定着、そして教育です。これらは業界全体の課題であると認識しています。
そこで私は、業界を横断できるキャリアコンサルタントの資格を取得しました。自業界の事例だけではなく、他業界の成功や失敗事例を多く収集できると考えたからです。キャリアコンサルタントとして事例を分析し、自業界やお客様にあった採用定着戦略を提案できると考えています。
これまでの営業経験及び業界経験とキャリアコンサルタントの専門性を結びつけ、新たな領域でのビジネス展開に向け活動しています。この「業界経験×専門性」の掛け算こそが、クライアント支援においても重要です。
アクションステップ:「専門性に基づく安定」への移行手順
キャリアコンサルタントが正規組のクライアントを「会社依存の安定」から「自己の専門性に基づく安定」へと導くための具体的な実践ステップです。
クライアントが抱える役職定年や給与減少の不安を、「今持っているスキルが陳腐化する恐怖」へと論理的に転換させます。現状維持の幻想を打ち破り、リスキリングの必要性を心理的に受け入れさせるための土台を築きます。
クライアントがこれまでの厳しい経験で培った粘り強さ、適応能力、組織理解を、企業が最も必要とする「DX推進における翻訳者(ブリッジ人材)」としての市場価値に言語化します。クライアントの自己評価を高め、新たな役割への挑戦意欲を喚起します。
リスキリングの方向性(DX/GXなど)を決定し、専門職やメンターといった具体的な「セカンドキャリアの役割」を明確な設計図として作成します。抽象的な「変化」ではなく、具体的な「次の安定」の形を提示し、行動を促します。

【結論】「専門性に基づく安定」への羅針盤
キャリアコンサルタントの皆様の使命は、正規組のクライアントが抱える「会社依存の安定」という幻想を打ち破り、彼らが持つ経験と専門性を最大限に活かせる「新たな安定」へと導くことです。この戦略的支援こそが、クライアントの未来だけでなく、日本経済の構造的な課題を解決する鍵となります。
具体的な戦略支援はこちらをご参考にしてください。
【キャリアコンサルタント向け】氷河期世代をDX推進の「ブリッジ人材」にする支援戦略
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