高校生の「勉強しない」不安を「信頼」に変える方法|大阪府高P連 講演レポートと「生きた証拠」
大阪のPTAが熱い!「不安を信頼に」変える挑戦
ごきげんさまです。
去る2月6日、「大阪府立高等学校PTA協議会 研究集会」にお招きいただきました。
会場はホテル アウィーナ大阪。府内から110名を超えるPTA役員様や先生方が集まり、これからのPTAと家庭教育のあり方を模索する場です。 そこで私は、「キャリア落語」を使った講演とワークショップを務めさせていただきました。
公的機関・各校サイトでも紹介されました
ありがたいことに、参加された各高校の公式サイトや校長先生のブログでも、当日の様子を詳細にレポートしていただいています。教育関係者である第三者の視点からの評価は、手前味噌ながら一番の「信頼の証」でございます。
• 大阪府立緑風冠高等学校 ブログ 「不安を信頼に」という、今回の講演の核となるテーマをタイトルにして紹介してくださいました。
• 三国丘高校 ブログ 「事例共有が最強説」として、ワークショップの熱気を伝えてくださっています。
• 北野高校 PTA活動ブログ 当日の詳細な流れや、他校との連携の重要性について触れられています。
• 八尾翠翔高校 校長だより 校長先生の視点から、PTA活動の変革と私の講演について言及いただきました。
さて、そんな「教育のプロ」や「保護者のリーダー」たちの前で、私がどんな噺をしたのか。 テーマは、親子関係のズレを描く古典落語の『七段目(しちだんめ)』です。

その小言、タイミング最悪です(落語『七段目』より)
なぜ親の言葉は子供に届かないのか。喜六と清やんの会話で紐解いてみましょう。
「清やん、聞いてえな。うちの息子、また一日中ゲームしとるねん。勉強もせんと画面に向かってブツブツ言うて……あれ絶対アホになってまうわ」

「ほう、そら心配やな(共感)。まるで落語の『七段目』に出てくる若旦那みたいやな」

「七段目? どんな噺や?」

「若旦那が歌舞伎芝居にハマりすぎて、家でも芝居のマネ事ばっかりする噺や。親父さんは下でカンカンに怒っとる。『商売もせんと何が芝居や!』てな。でもな、親父さんがガミガミ言えば言うほど、若旦那は意固地になって芝居にのめり込むんや」

「せやけど、親からしたら将来が不安やないか。あんなことして何になんねん」

「そこや。親父さんは『不安のエネルギー』をぶつけてるから、若旦那との間に『ズレ』ができるんや。ええか喜六、『不安』も『信頼』も、根っこは同じ『期待』なんやで」

「不安」と「信頼」の違いはエネルギーの向きだけ
今回の60分の講演では、落語を通じて「親の不安がコミュニケーションのズレを生む」というお話をしました。
① 実録! いっきょう家の「間が悪い」事件
これは私の実体験です。かつて息子に、「親から言われて嫌だったこと」を聞いたとき、即答で返ってきたのがこの言葉でした。
「いつ勉強すんの?」
息子が「さ、勉強しようかな」と思い立った、まさにその瞬間を狙ったかのように、私や妻からの「いつ勉強すんの?」攻撃が飛んでくる。そのたびに息子は、「もう! いまやろうとしてたのに!」と、やる気の腰をポッキリ折られていたのだそうです。
なぜ、こんなにも「間」が悪いのか? それは、親の頭の中が「大丈夫か?」という不安で一杯で、子供のタイミングではなく、自分が不安を吐き出すタイミングしか見ていないからです。これが「ズレ」の正体です。
② 「期待」をどちらに変換するか
ここで重要なのは、不安は「期待」の裏返しだということです。 どうでもいい相手には不安になりません。「期待」しているからこそ、不安になるのです。
• 期待 × マイナスのエネルギー = 不安(小言・干渉)
• 期待 × プラスのエネルギー = 信頼(ごきげん・見守り)
どちらも根っこは同じ「期待」です。ならば、子供が動き出しやすい「信頼のプラスエネルギー」に変換して届けませんか?というのが私の提案でした。

4. 会場を変えた「万感の拍手」と生きたエビデンス
ここで、私は会場の皆さんにある「種明かし」をしました。
先ほどお話しした、「いつ勉強すんの?」と私がガミガミ言い、やる気をくじかれ続けていた息子。 私たちが「不安」を手放し、「ごきげんかつ信頼」で見守るように変えてから、彼がどう育ったのか。
「実は今日、その息子を連れてきてるんです。一番後ろの席にいます」
私がそう紹介して後ろを指すと、会場の110名の皆さんが一斉に振り返りました。 そこには、大学生になった息子が、少し照れくさそうに立っていました。
その瞬間です。 会場が、割れんばかりの「万感の拍手」に包まれました。
それは単なる「紹介」への拍手ではありませんでした。 かつて親とぶつかり、やる気を失っていた子供でも、親が「信頼」に切り替えれば、ズレがなくなり、育ってくれる。
「大丈夫、うちの子もきっと大丈夫だ」と。
そんな親御さんたちの「安堵」と「希望」が込められた、温かくて力強い拍手だったと思うのです。
この瞬間、会場の空気が「理論」から「確信」へと変わりました。私が60分かけて語る言葉よりも、息子の存在という「生きたエビデンスという証拠」が、何よりも雄弁に皆さんの背中を押してくれたのです。
【実践】落語より盛り上がった「放念ワーク」
会場全体が「信頼」の空気に包まれたところで、いよいよ実践です。 どうすれば「不安」を「信頼」に変えられるのか?今回、ワークショップでは以下の3つのステップを提示しました。
- ステップ1:親としての不安を言語化する
- ステップ2:子の「熱狂」を資源として言語化する(リフレーミング)
- ステップ3:次の週末の「シンプルな一歩」を宣言する
データの裏付け:4割以上の親が求めていたこと
面白いことに、事後アンケート(33名回答)の中で、皆さんが「最もやりたい!」と選んだのは、圧倒的にステップ1でした。
• ステップ1:親としての不安を言語化する(43.6%)
多くの親御さんが、解決策の前に、まず「この不安をどうにかしたい」と感じていたのです。 そこで、このステップを深めるために、こんな時間を設けました。
「お隣同士で、その不安をテーマに話をしてください」
不安を手放す「放念」の技術
ここで重要なキーワードが「放念」です。
「不安」という「念(おもい)」を、自分一人で抱え込まず、口に出して外に「放つ」こと。頭の中で増大する不安をリセットする技術です。
ワークが始まった瞬間、静かだった会場が「わぁっ!」と大きな話し声に包まれました。 「あ、自分だけじゃなかったんや!」「えっ、そんな方法があるの?」と、あちこちで笑顔が弾けます。
正直に言います。 私の落語の時より、この「放念ワーク」の時の方が、会場が盛り上がっていました。
でも、それでいいんです。さっき見た「息子というエビデンス」があるから、「うちも変われるかも!」と安心して話せたのだと思います。皆さんがスッキリした顔で帰っていただけたなら、講師冥利に尽きます。

まとめ:「ごきげん」は最強の信頼エネルギー
今回の大阪府立高等学校PTA協議会 研究集会、そして緑風冠高校さんのブログタイトルにある通り、結論はこれに尽きます。
親が不安な顔で「念」を溜め込んでいると、子供は息苦しくなります。 逆に、親が周りと話し、笑い合い、放念して「ごきげん」でいると、子供は「信頼されている」と感じて、安心して自分の人生を歩み始めます。
「いつ勉強すんの?」と言いたくなったら、それは「不安エネルギー」が溜まっているサイン。 まずは誰かに話して、念を放してしまいましょう。落語を観るのもいいかもしれません。
最後になりましたが、私の落語以上に盛り上がり、そして息子に温かい拍手を送ってくださった大阪府内53校のPTA役員の皆様、先生方、本当にありがとうございました!
最後に主催者様側より花束を贈呈いただきました。(ありがとうございます!)

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